NFTとは?仮想通貨(暗号通貨)などで話題の用語を徹底解説!

 

最近、ニュースでNFTという言葉を耳にした人は多いのではないでしょうか?

Twitter社の経営者の初ツイートが3億円超で落札された話がニュースになり、今、このNFTという言葉がにわかに関心を集めているようです。

この記事では、そんなNFTについて解説していきます。

 

 

NFTって何?

NFTは、ノンファンジブルトークン(Non-fungible token)の略称です。

ノンファンジブルには「非代替性」という意味があります。

NFTのことをもう少し分かりやすい言葉で言えば、「偽造不可な鑑定書、所有証明書付きのデジタルデータ」と解釈できます。

NFTのデータは、ブロックチェーン上に存在します。

ブロックチェーンは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータで、すべての取引情報を同期し記録する仮想的な台帳です。

仮想通貨(暗号資産)でも広く知られている技術です。

NFTはいわば、仮想通貨(暗号資産)の兄弟のような存在です。

一般的にデジタルデータはコピーや改ざんすることが容易です。

そのため、海賊版や違法コピー作品が出回りやすく、現実の資産や販売物と比較して価値をもたせることが困難でした。

一方、ブロックチェーン上のデジタルデータは参加者間の相互検証によってコピーや改ざんが困難であり、デジタル空間で価値のやりとりを可能にしています。

この特徴は一時600万円以上の価格となったビットコインなどの暗号資産の価値を支えています。

NFTはこれを通貨ではなくコンテンツやデジタルアイテムに応用したものなのです。

 

NFTの技術

NFTは最近、日本や米国で話題になっていますが、実は2012年から確立していた技術です。

NFTが知られるきっかけとなったのは、2017年後半に公開された「クリプトキティーズ」というゲームと言われています。

これは、バーチャルなネコを購入して独自の猫を育てるゲームです。

自分で育てた世界で唯一の猫を作り、それをNFTで売買できるようにしたのです。

さて、ここで一つ考えてみましょう。

NFTがノンファンジブルトークン(非代替性トークン)であるのに対し、仮想通貨(暗号資産)はファンジブルトークン(代替性トークン)に分類されます。

ここでいう、代替/非代替とはどういう意味なのでしょうか?

まず、「代替性」という言葉の意味を考えてみましょう。

身近な例では、私たちが日常使っている「お金」。

例えば、あなたと私がそれぞれ一万円札を持っているとします。

あなたの一万円札はピン札です。

一方、私の一万円札は、くたびれて折り目が入っています。

でも、あなたの新しい一万円札と、私の古い一万円札の価値は異なるでしょうか?

同じですね。

だから、お互いに一万円同士交換することができます。

このように、交換可能なものを「代替性」と言います。

仮想通貨(暗号資産)も通貨同様、代替性があるといえます。

では、逆に「非代替性」とは何か考えてみましょう。

非代替性とは、交換できないものということです。

あなたの住んでいる家や土地は、世の中に一つしかないものです。

また、野球ボールでも、プロ野球選手のサインの入ったボールと、普通のボールは違いますよね。

私が外で拾った野球ボールと、長嶋選手の最初のホームランで打ったサイン入りボールは、交換できないでしょう。

NFTでは、デジタルデータに付随する発行数や作成年月日、識別番号などの情報を改ざん困難なブロックチェーン上で明示し、他のデジタルデータ識別可能な唯一無二の存在として扱うことで、デジタル作品に対する所有権を、誰も書き換えたり、消したり、複製することができない方法で証明することができるのです。

まさに、NFTとは「偽造できない鑑定書や所有証明書に相当するデジタルデータ」と言えます。

 

NFTの特徴

NFTには3つの特徴があります。

 

①相互運用性

NFTは発行された時点から、仮想通貨(暗号資産)のウォレットやマーケットプレイスで確認・利用することができます。

これが可能なのは、NFTの仕様が共通規格によって定められているためです。

いわば、鑑定書の書式が予め決められているようなものです。

共通規格に則しているため、どの企業が提供するサービスでも、原理的にはNFTを取扱うことが可能になります。

例えば、実装によっては、ドラクエで手に入れた武器を、モンスターハンターの世界でキャラクターに装備させるといったことや、SNSで作成したアバターを使って、モンスターハンターのキャラクターを作成することも可能になるでしょう。

 

②取引可能性

これまでデジタルデータの所有権は、そのデータを管理する企業のサービスに依存してきました。

例えば、オンラインゲームで作成したキャラクターは、そのゲームを提供する企業がサービスを終了すると同時に失われてしまいます。

これに対し、NFTは所有権が、特定の企業が管理するサーバーにではなく、ブロックチェーン上に明記されていることから、所有者は自身のNFTを自由に移転することが可能になります。

また、NFTの所有権は偽造も複製もできないため、現物の美術品などと同様に資産価値を有する存在として市場取引が成立します。

 

③付加機能

NFTには様々な付加機能を持たせることができます。

例えば、ソフトウェアやゲームソフトといったデジタル資産が転売されるたびに、製作者に購入代金の一部が支払われるように、NFTに機能を付加することもできます。

逆に、アフェリエイト報酬のようにソフトウェアのライセンスを販売した売上金の一部が販売者に支払われるようにすることもできます。

特定の企業が提供するサービスに依存せず、NFTを取扱うあらゆるサービスにおいて、付加機能が有効になるのです。

このように、従来とは異なるインセンティブやお金の流れをあらかじめ資産そのものに組み込むことができる新規性があります。

 

NFTの目的

NFTは、デジタルアートやトレーディングカードやコンサートチケット、バーチャル不動産、ゲームアイテムやキャラクターなどのデジタル作品や商品の所有権を売買するために利用されています。

デジタル作品に唯一無二の価値を与える手法であり、新たなデジタル市場が生まれると期待されています。

大きなお金が動いている背景もあるためか、近年、NFTに参入する企業が増えているようです。

 

NFTとは?・NFT=偽造不可な鑑定書、所有証明書付きのデジタルデータ。

・NFTの3つの特徴 : (1)相互運用性(2)取引可能性(3)付加機能。

・NFTの目的 : デジタルコンテンツの所有権を売買できるようにすること。

 

NFTの事例

NFTにまつわる幾つかの話題を紹介します。

 

Twitter社の経営者の初ツイートが3億円超で落札!?

2021年3月22日に衝撃的なニュースが世界を賑わせました。

Twitter社の創業者の一人で最高経営責任者(CEO)でもあるジャック・ドーシー氏が2006年に行ったテスト用の初ツイートのNFTが、291万ドル(約3億1,640万円)という値で落札されたのです。

 

ドーシー氏の初ツイート

 

落札者は、マレーシアの新興企業ブリッジ・オラクルのCEOハカン・エスタビ氏。

同氏は落札後に「これはただのツイートではない。数年後には、これに「モナ・リザ」と同じくらいの価値があることにみんなも気付くだろう」とツイートしました。

ドーシー氏は、「売り上げはすぐにビットコインに変換し、アフリカ地域支援の非営利団体GiveDirectlyに全額寄付した」とツイートしました。

 

デジタルアートが75億円で落札!?

2021年3月、デジタルアーティスト(デジタルコンピュータを使って芸術作品を作る人)であるBeeple(本名 : マイク・ヴィンケルマン)が作成した作品『Everydays – The First 5000 Days』のNFTが、クリスティーズのオンラインセールにて約6,935万ドル(約75億円)で落札されました。

この記録は、現存のアーティストのオークション記録第三位となり、デジタルアート作品の過去最高額を記録しました。

この結果について、Beepleは次の言葉を残しました。

 

「アーティストは過去20年以上にわたり、ハードウェアとソフトウェアを使って作品を制作し、インターネットで配信してきたが、作品を真に所有し、収集する方法は無かった。

しかし、NFTの登場により、それが変わった。私たちは美術史における次の章、デジタルアートの始まりに立ち会っているのだと思う。これは物理的なキャンパスで作られたものと同様に、クラフト、メッセージ、ニュアンス、意図を持った作品であり、この歴史的な瞬間にデジタルアートのコミュニティを代表することができ、大変光栄に思っている」

 

Beeple Everydays – The First 5000 Days 出典 : クリスティーズのウェブサイトより

 

トレーディングカードの市場が熱い

デジタルトレーディングサイトのCrypto Slamによると、NBA Top Shot、Crypto Punks、ストリートファイター(Street Fighter)などが、NFTのトップブランドとして取引されているようです。

最も人気のあるNFTプラットフォーム「NBA Top Shot」では、ユニークなNBAのハイライトビデオを1,800万ドル(約20億円)以上販売しているとのこと。

Crypto Slamによると、このプラットフォームでは、過去2億2,000万ドル(約240億円)以上の売上があったといいます。

また、「ストリートファイター」はすでにデジタル資産の取引量トップ10に入っているようです。

 

Street Fighterのトレーディングカード 出典 : Crypt Slamのサイトより

 

あのメルカリもNFT市場に参入!?

NFT市場の参入は海外ばかりではありません。

日本でも大手企業の参入が始まっています。

メルカリは暗号資産(暗号資産)やブロックチェーンのサービスを企画/開発する新会社「メルコイン」を2021年4月下旬に設立すると発表しました。

 

「メルカリにおいては、売上金のビットコインでの受取り機能の提供や、『メルペイ』においても決済・送金機能の提供に留まらず、与信、暗号資産・資産運用の機能を一つのウォレットで提供していく等、より簡単に金融サービスを利用できる環境を構築していきます」

 

と案内しています。

メルカリで商品を販売した売上を仮想通貨で受け取ることができるというわけです。

しかし、これはメルカリにとってはオマケみたいのものでしょう。

メルカリはさらに続けて、

 

「NFT等、これまでのモノ・お金に限らず、サービスやデジタルコンテンツなどのあらゆる価値を誰もが簡単に交換できる新しい取引の形を創出し、さらなる顧客体験の向上や顧客基盤の拡大に繋げていきたい考えです」

 

としています。

本命はマーケットプレイスにあるようです。

「既にメルカリは既にマーケットプレイスをやっているのでは」と思うかもしれませんが、今やっているのは、モノの取引のみです。

これまでは、RPG(ロールプレイングゲーム)で育てたキャラの販売は規約違反になっていました。

ゲームソフト本体か、トレーディングカードしか売ることはできませんでした。

ブロックチェーンで管理された、仮想世界のコンテンツが売れるようになると、ゲームの中で街を作って売ることもできます。

実態として形のないデジタルコンテンツを取引できるマーケットプレイスを作ろうとしているのです。

メルカリのようなマーケットプレイスとNFTの親和性は非常に高いと思われます。

 

NFTの取引事例!

・Twitter社の経営者の初ツイートが3億円超で落札。

・Beepleの作品『Everydays – The First 5000 Days』が約75億円で落札。

・トレーディングカードの販売では「NBA Top Shot」や「ストリートファイター」が好調。

・メルカリも「メルコイン」でNFT市場に参入。

 

NFTの未来

 

新しいデジタルマーケットの拡大

NFTのデータ分析サイト「NonFungible」の2020年のNFT調査レポートによると、2019年に約1億4,000万ドルだった市場規模が、2020年には倍以上となる3億8,000万ドルにまで拡大しました。

こうしたことから、界隈では2020年はNFT元年とも言われています。

仮想通貨(暗号資産)市場全体の規模が2兆ドル超とされる中、NFTの市場規模はまだまだ小さいですが、この先の規模が拡大していく余地は大きいとの見方もあります。

 

2018年~2020年のNFT市場規模 出典 : NonFungible 2020年のNFT調査レポートより

 

デジタルの世界で生活できる時代

NFTが社会に受け入れられ、サービスを提供するゲーム会社が増えると、育てたゲームのキャラクターや手に入れた武器や防具、アイテムがNFTを通してプレイヤー間で貸し借りして収入を得ることができるようになるかもしれません。

そして、これを生業とした生き方もできるのかもしれません。

単にデジタルコンテンツの所有権を主張できるだけでなく、その所有権を他の人に貸して、その賃料を貰うというビジネスの形も考えられます。

クローズな世界でのNFTで保有する所有権を担保にして、お金を借りるビジネスもあるようです。

そういう市場が成熟していくと生き方に多くの選択肢が生まれるのではないでしょうか。

 

デジタル作品の収入機会を増やす

NFTはアーティストや小説、マンガ、動画、映画などのコンテンツを作成・販売する人たちに、メリットがあると言われています。

小説家は出版業者を通して作品を世に出し、作品を購入した人があると、印税と呼ばれる収入が入ります。

しかし、作品を購入した人が、その作品を古本屋に再販したときには、著者に印税収入はありません。

つまり、収入が入ってくるのは、出版業者が出版した本が直接購入された場合だけなのです。

二次流通の中古取引においては、著作者に1円も収入がありません。

一方、NFTを利用すれば、出版した作品を最初に購入した人から、中古取引で再販され、たとえそれが何回再販されても、いつ、誰に販売されたのか正確に履歴を辿ることができます。

そこで、個々の取引に対し、印税を課金すれば著作者に収入が入ることになります。

このような仕組みができれば、そのようなデジタル作品を作成する人たちにビジネスチャンスも生まれることでしょう。

 

新たに生まれるか、デジタルコンテンツの中古市場

あなたは、Kindleなどで電子書籍や楽曲を購入した経験はありませんか?

正確にいうと、それらは、電子書籍や楽曲を購入しているのではなく、電子書籍を閲覧する権利や楽曲を聞く権利を購入しているのです。

つまり、現物の本やCDを購入するような場合と異なり、所有権の移転はありません。

そのため、Kindleのサービスが終了したり会員でなくなると、それら電子書籍を閲覧したり楽曲を聞くことができなくなります。

一方、NFTを利用すれば、オンラインで購入した電子書籍や楽曲に対して、本やCDを買うのと同じように、所有権を持つことができます。

それら電子書籍や楽曲データを、転売することもできるのです。

一般的に書籍やCDの中古販売価格は、プレミアムがつかない限り、新書や新曲が出てから時間が経過するとともに、値下がりしていきます。

新書の電子書籍を購入したら、すぐに読んで転売すれば新書とほぼ同じ価格で売れることでしょう。

それにより、あなたの持ち出しはほとんどなく、電子書籍を読むことができます。

そして、転売が繰り返される度に、著作者に印税収入が入るようにすれば、デジタルコンテンツの作者と消費者との間にWIN-WINの関係が成立します。

そうなると、デジタルコンテンツの中古市場が開けるかもしれません。

 

NFTの未来!

・NFTが普及した未来には、デジタルの世界で生活できる時代がくるかもしれない。

・デジタルコンテンツの再販・転売が可能になり印税収入も実現すれば、デジタルコンテンツの市場が様変わりする可能性もある。

 

NFTの価値

ここからは、NFTの存在意義や価値について考えていきましょう。

 

NFTの価値とは?

NFTは仮想通貨(暗号資産)同様に、取引所を通してトークンを購入することができます。

しかし、そもそもNFTの価値とは何なのでしょうか。

NFTはビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)同様に、発行数が限られていることや複製ができないことによる需給の原理で価値が決まります。

また、NFTの人気には、その真正性も重要な役割を果たしています。

トークンは容易に検証可能であり、常にオリジナルの作成者に辿りつくことができます。

NFTの所有者は、唯一無二のデジタル資産を所有していることを確認することができます。

加えて、NFTの不変性も価値に寄与していることでしょう。

NFTは改ざん、削除、複製することができません。

 

NFTの価格推移 出典 : CoinMarketCapより

 

なぜNFTを購入するのか?

NonFungibleの2020年 NFT調査レポート「The NFT Yearly Report 2020」 には、投資家がなぜNFTを購入するのか考察されています。

レポートを通じて行われたアンケートによると、NFTの購入者は単に投資対象としてのみNFTを購入しているのではなく、コレクションの一部として購入していることが示唆されています。

NFTの価値は、ブロックチェーン上の単なる資産ではなく、自身の表現手段の一種であると言えます。

例えば、特定のNFTを保有していることで参加できるコミュニティの存在やNFTの保有者しかアクセスできないコンテンツがある場合、そのNFTは売買目的ではなく、保有目的で購入されることが多いのです。

レポートによると、NFTを購入することはそれがアートであってもゲームキャラクターであっても、同じ情熱を共有する他の保有者とNFTを通してコミュニケーションできる点が最大の特徴とされています。

実際、異なるNFTサービス間のうち、全体の10%がクロスコミュニティ化しているとのデータが出ていました。

 

NFTの価値!

・NFTの価値は、希少性、不変性、真正性にあり。

・NFTの購入動機の多くは売買目的ではなく保有目的。

 

NFTの注意点

このように期待と注目を集めているNFTですが、その発展に向けての課題に留意してくべき点も多くあります。

特に昨今の盛り上がりは、2017年の仮想通貨(暗号資産)バブルの象徴ともなったICO詐欺や、多くの著名人が自身のトークンを発行してファンから資金を集めた後、程なくして放置状態となったVALU騒動を彷彿とさせるものがあります。

 

鑑定書が偽造できなくともデータ部分はコピー可能

NFTについて、十分に理解しておかなければならないことは、「鑑定書が偽造できなくともデータ部分はコピー可能」という点にあります。

例えば、とあるバンドユニットのライブ動画をNFT化して、100名限定で販売したとします。

このとき、NFTを購入した100人は正当な所有権を得ることができます。

確かにその所有権は複製できませんが、動画のデータを録画し、他人へ視聴させたり、データを渡したりすることを直接防ぐことはできません。

鑑定書付きの限定販売DVDを持っていたとしても、その動画を誰かに録画されてネットに流出することを防げないのと同様です。

NFTは、利用価値ではなく、収集価値やコレクション性を守る性質が強いと言えます。

 

鑑定書だけが残っていても、データが使い物にならなくなることもある

先の例では、鑑定書付きのDVDを持っていても、DVD自体がなくなり鑑定書だけが残るような状況が発生し得るということです。

具体的には、あるゲーム内の武器が、NFT化され販売されたとき、ブロックチェーン上にあるのはその武器の所有権や鑑定書の情報があるのみで、武器のイラストやゲームのシステム環境は、ゲーム会社のサーバー内にあり、サービス停止とともに武器が利用できなくなる可能性があります。

このとき、確かにブロックチェーン上にはNFTが存在し、オーナーシップは明確に所有者に帰属していますが、そのNFTに期待されていた利用価値は一切なくなり、売買価格も損なわれることでしょう。

今の投機熱が収まった後に、長期的に価値を維持することができるNFTなのかどうかは、考慮するべきでしょう。

 

事業者の遵守すべき法規制がまだまだ未整備な現状にも注意

前提として、NFTは資金決済法上の暗号資産には該当しないと解釈されており、NFT事業者金融規制の監督外と位置付けられています。

しかしながら、資産としての特徴を有する以上、通常のゲームビジネスやコンテンツビジネスに比べて消費者トラブルを生じやすい傾向にあると思います。

例えば、NFT保有者が、発行元から事業収益を配当として得られる場合は金融商品取引法上の電子記録移転権利として扱われる可能性が生じます。

NFTの売買や移転を介して暗号資産のやりとりの匿名性を高めたり、資金移動や弁済を目的にFTが用いられたりする場合には、マネーロンダリングを防止する国際金融規制の対象となる可能性もあります。

このように、明確なコンプライアンス基準が十分に整備されているとは言い難い現状にあります。

 

NFTとリアル世界とのつながりには課題が多い

NFTのブロックチェーン上では、データが本物か偽物か、判別することできます。

しかし、それはあくまでもNFTで作成した時点からです。

NFTで作成する前に、複製されたデジタルデータは、どれが本物か区別することはできません。

つまり、自分が作成したデジタルデータを誰かが盗んで、それをNFTで本物だと鑑定書をつけたら、その時点でそれが本物になり、所有権も奪われてしまうのです。

NFTには、データそのものが盗品であるのかどうか区別することはできません。

このように、ブロックチェーン上では、非常に強固な真正性を保つNFTでも、リアルな外部とのつながりに対しては、脆弱である面があります。

NFTの今後の動向には注意し続けていく必要がありそうです。

 

NFTの4つの懸念点!・鑑定書が偽造できなくともデータ部分はコピー可能。

・鑑定書だけが残っていても、データが使い物にならなくなることもある。

・事業者の遵守すべき法規制がまだまだ未整備な現状にも注意。

・NFTとリアル世界とのつながりには課題が多い。