ペンギンモバイルとスターモバイル(旧クジラモバイル)を徹底比較!
現在、日本の携帯電話加入件数は、総人口を大きく上回っています。
日本人のほとんど誰もがスマートフォンをひとつずつ使っている時代。
そんな日常で人が皆絶対に使うものをMLM(ネットワークビジネス)にできる、と聞くと、なんだか確実に成功できそうな気もしてきます。
しかも、三大キャリアより費用が小さい格安SIMとなるとなおさらです。
利用者の月々の支払いを安くしてあげて、ついでに、自分も儲けることができる。
一見、いいことづくめに思えてきます。
実際のところはどうなんでしょう?
この記事では、今、代表的な格安SIMMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)であるペンギンモバイルとクジラモバイルのそれぞれのサービスやビジネスプランなどについて触れながら、これらがはたして多くの人にとって稼ぎやすいビジネスになり得るかどうか、について考えていきます。
クジラモバイルについては、2020年4月から名称がスターモバイルに変わっているため、旧クジラモバイルとスターモバイルとの違いについてもわかりやすく説明します。
Contents
ペンギンモバイルのサービス
ペンギンモバイルのサービスは充実しています。
格安SIM大手の会社(企業)は三種類のプランに分かれている場合が多く、データのみのプラン、データとショートメッセージのみのプラン、電話も利用できるプランとありますが、ペンギンモバイルも同様のサービス内容となっています。
また、データ使用量も、3.6GB、6GB、12GB、50GBの四種類から選べます。
他社と比較しても遜色のないサービス内容です。
ペンギンモバイルのビジネス費用
ペンギンモバイルを紹介して報酬を得るためには、まず、代理店として登録しなければなりません。
ペンギンモバイルの利用者になるだけではビジネスに参加できません。
ペンギンモバイルは、この代理店になるための費用がそれなりに高額です。
また、データプランも、12GB以上を契約することが必須条件となっています。
年会費なども少しばかりかかります。
それ以外に回線の使用料もかかってくるので、参考までに、以下に、ざっとすべて計算したものを挙げておきます。
金額は税抜きで、データ使用量の上限は一番少なくて済む12GB、それから、一般的なインターネット・SMS・電話サービス込みの金額にしてあります。
初期費用 : 34,000円
(スターターキット32,000円+システム初期費用2,000円)
月額費用 : 6,780円
(毎月システム利用料3,800円+インターネット・SMS・電話サービス2,980円)
年会費 : 3,000円
初月に40,000円ちょっとの出費があることになります。
一般的に、ドコモ、au、ソフトバンクなどの三大キャリアを使用している人の月額支払額は10,000円程度と言われているそうです。
そこから変更するのであれば、月々3,000円程度の節約にはなります。
初期費用は高額かもしれませんが、一年くらい続ければ、仮にビジネスでまったく収入が発生しなくても回収できる金額だという見方もできます。
まずは、費用の面だけを見れば、三大キャリアを利用して毎月10,000円程度を支払っている人にとっては確実にノーリスクでできるビジネスだと言えそうです。
ペンギンモバイルの報酬プラン
ペンギンモバイルの報酬プランについて、以下、稼ぎやすさの点から見ていきます。
ユーザー継続ボーナス
まず、ペンギンモバイルでは、一般の利用者の紹介を出すことでもらえる報酬に「ユーザー継続ボーナス」というものがあります。
これは、「代理店はやらないけれど利用者にはなります」という人の紹介を出した累積数に応じて得られるボーナスで、利用者の数が2人増える毎に(最初の一人目は除く)月々250円ずつが加算されて支払われます。
このボーナスだけでいくと、まずは、毎月システム利用料にあたる3,800円を回収するためだけでも、最低32人の組織を作っていく必要があります。
さらに、インターネット・SMS・電話サービス分にあたる2,980円まで回収しようとすると、必要な人数は56人ということになります。
56人の人がペンギンモバイルの利用者になってくれたら、まずは、ようやく月々の費用分を回収できる、ということです。
これだけで稼いでいくのは、少々大変です。
したがって、まともに稼ぐなら、一緒にビジネス活動をしてくれる代理店を増やしていく道を考えていかなければなりません。
これについては、主に三つの道があります。
レベルマッチボーナス
ひとつは、バイナリー型の組織拡張でやっていくレベルマッチボーナスというものがあります。
これは、バイナリー図の左右のペアが段数毎にひとりずつでも完成されれば支払われます。
ダウンの左右のペアが一段完成する毎に、一回きり11,000円が支払われるリクルート時のレベルマッチボーナスと、そこから利用が継続される限りずっと毎月1,200円ずつが支払われる継続のレベルマッチボーナスとの二種類があります。
この組織拡張には、階層の浅いポジションの最末端に左優先で配置される、というルールがあります。
継続して代理店をやっていく意思のある人の紹介が次々に連鎖していけば、6階層目のペアが完成したところで、継続のレベルマッチボーナスの報酬は月額7,200円になり、確実に月々の費用を上回る利益が出始める、ということが言えます。
最低12人のダウン組織を作ることで達成する、ということになります。
ボリュームバイナリー
先のバイナリー型の組織を構築していく中で、レベルマッチボーナスとは別にもらえるボーナスに、ボリュームバイナリーというものがあります。
ダウンの左右が6人ずつ12人揃うと1,600円の報酬が毎月発生し、さらに、そこから同様に12人増える毎に1,600円ずつが加算されていきます。
ただし、この報酬が発生するのは、後程出てくるシルバーペンギンというタイトルを取ってからです。
さて、ここまでで、一旦、話を整理しておきます。
既に三大キャリアを利用して毎月10,000円程度を支払っている人にとっては、仮にひとりも紹介ができなくても、いずれ初期費用分も回収した上、その後の負担も軽くなる。
一方、
月額7,200円の費用を回収する、というところまで儲けるだけでも、56人の人の利用者の組織を作るか、12人以上の人の代理店の組織を作るか、または、それらを組み合わせていくか、が必要。
こうしてみると、月々の費用の割引程度の稼ぎの次元を抜け出すだけでも結構苦労しそうな印象はあります。
早い段階で稼ぐ、という意味では、他の多くのMLM(ネットワークビジネス)のプランと比べるとかなり気が遠くなるような話かもしれません。
ただし、一方で、ひとりも紹介ができなくても費用の面ではノーリスク、というスタートの気軽さはあることは確かです。
さて、代理店を増やしていく道がもうひとつあります。
大きく稼ぎたい人にとっては、次に挙げるタイトルボーナスが重要です。
タイトルボーナス
このタイトルボーナスでは、先のバイナリー型のレベルマッチボーナスとは異なる独立した報酬体系が用意されています。
直紹介のラインの数と規模に応じて報酬を計算するシステムで、ルール的にはユニレベルです。
ただし、条件に幾つか縛りがある点で少しユニークなユニレベルになっていて、ダウンの組織の最大グループとそれ以外のグループとの規模のバランスが重視されています。
さて、上の図を見るとわかるように、このタイトルボーナスも、結構、先は長いです。
例えば、月額二万円の安定収入が得られるシルバーペンギンのタイトルを達成するのにも、直紹介を4人出して、そこから最低でも傘下に100人(かつ、最大グループとは別に最低でも50人)を揃えなければなりません。
これだけやっても、まだ、報酬月額は二万円ですよ(笑)
しかも、代理店でこのタイトルまで来れない、という人が現実には多いのではないでしょうか。
ヒゲペンギン以上のタイトルになると、報酬は、固定額でなく、全体の売り上げを該当するタイトル保持者の人数で割った分の金額になり、ここから一気に報酬が増えそうですが、全体の印象としては、初心者が夢を見るにはあまりにも道のりが長すぎる気がしてなりません。
アドバイザー手数料
他にも、所定の資格を持つ人が新規登録者の紹介を出す際に説明を行った場合にその人に3,000円が支払われる、というアドバイザー手数料という制度もあります。
ペンギンモバイルのポイント!
・費用の面だけを見れば、既に三大キャリアを利用している一般の人にとっては確実にノーリスクでできるビジネス。
・お金を稼ぐ、という意味では、他のMLM(ネットワークビジネス)に比べると、一握りの成功者以外にはほとんど旨味はなさそう。
次に、もうひとつの格安SIMのクジラモバイルについて見ていきます。
クジラモバイルのサービス
クジラモバイルには、主なサービスが三つあります。
クジラモバイルS(月間20GB、24時間かけ放題、ソフトバンク回線)
クジラモバイルD(月間50GB、20円/30秒、ドコモ回線)
クジラWi-Fi(一日3GBまで)
ソフトバンク回線であればデータプラン20GBの電話かけ放題、ドコモ回線であればデータプラン50GBの電話代別です。
いずれのサービスも、一律で4,860円です。
実は、2019年末時点で、ペンギンモバイルは、複数あるプランのうち24GBのプランが4,860円でした。
これに対して、クジラモバイルは、単一の50GBのプランのみでしたが、この価格が4,860円でした。
50GBというデータ使用量で比較すると、当時、このクジラモバイルの価格設定は国内のどの格安SIMのデータプランと比較してもダントツで安かったのですが、2020年の1月にペンギンモバイルが料金改定を行い、2020年3月現在、ペンギンモバイルも50GBのデータ使用量を4,860円で提供し始めています。
クジラモバイルのビジネス費用
クジラモバイルも、ペンギンモバイルと同様に、紹介活動を行って報酬を得るためにはビジネス登録をしなければなりません。
クジラモバイルでは、ビジネス登録をする人を正協会員、一般の利用者を準協会員として区別しています。
こちらも費用を挙げておきます。
金額は税抜きです。
初期費用 : 21,860円
(スターターキット5,500円+正協会費7,500円+初期事務手数料3,000円+SIM発行手数料1,000円+次月利用料4,860円)
継続費用 : 12,360円
(正協会費7,500円+次月利用料4,860円)
ペンギンモバイルに比べると、初期費用は安いですが、月額費用は三大キャリアを使っている人の一般的な平均よりも高額になってしまうようです。
あくまで費用の負担の面だけでの話ですが、仮に、報酬がまったく得られなければ、三大キャリアを使った方が結果的にはまだマシだった、というケースも出てきます。
クジラモバイルの報酬プラン
クジラモバイルも、現実的に稼ぐことを考えていくなら、正協会員として活動してくれる人を紹介していくことが重要になってきそうです。
クジラモバイルは、ユニレベルに似ていますが、どうやら3×マトリックスを採用しているようです。
主な報酬プランはクジラコミッション、デイリーコミッションなどで、現在、全部で九種類あります。
クジラコミッション
クジラコミッションは、正協会員や準協会員の直紹介を出していくことで得られる継続報酬で、マトリックスの組織図とは別に、直紹介だけを基準に考えます。
最初は一件の直紹介につき次月利用料月額の4,860円の10%の486円の収入が発生します。
正協会員を3人紹介できると、さらに10%増えて、この486円が20%の972円になります。
それとは別に、正協会員や準協会員を問わず述べ10人の直紹介を出すと5%、他にも一定の条件を満たすと5%増えていきます。
上限は30%で、結局、10%、15%、20%、25%、30%の五段階が存在します。
準協会員だけの紹介で入る報酬は、このクジラコミッションだけです。
ちなみに、準協会員だけの紹介でやっていくと17人の直紹介(15%)を出してやっと正協会員の月額費用の12,360円を回収できます。
ただし、クジラコミッションでは、これとは別に、直紹介者の傘下からの差額報酬も発生します。
例えば、自分が25%の権利を持ち、直紹介者が15%の権利を持つ場合、直紹介者の抱える組織人数×10%(25%-15%)の報酬が加えて得られます。
デイリーコミッション
これは、日額で発生する継続報酬です。
まず、正協会員の直紹介を三人出さなければ得ることができません。
正協会員の直紹介を三人出すと、MEMBER1からMEMBER2にランクアップし、日額250円(月額7,500円)が支払われるようになります。
その後は、3×マトリックスの組織図のうち最大規模のグループの人数とそれ以外のふたつのグループの人数の合計とを比較し、一定の条件を満たすことで報酬が発生します。
例えば、上の図のように6人グループ、4人グループ、2人グループの組織を持っている場合、MEMBER2の上のMEMBER3の条件である6 : 6を達成します。
MEMBER3の日額は500円(月額15,000円)です。
さらに、MEMBER3の上のLEADER1の条件は18 : 18、その上のLEADER2の条件は40 : 40といった具合で決まっています。
報酬も、LEADER1が日額1,000円(月額30,000円)、LEADER2が日額2,000円(月額60,000円)と増えていきます。
正協会員3人を含めた5人を紹介できると、報酬月額は先のクジラコミッションの4,860円(972円×5人)とデイリーコミッションの7,500円とを合わせて12,360円となり、月々の費用をぴったり相殺できます。
以下、残りの報酬プランについて、簡単に紹介しておきます。
リクルートコミッション
正協会員を一人紹介する毎に一回きり1,500円の報酬が発生します。
ジオットコミッション
準協会員の総売り上げの2%分が対象者に均等に分配されます。
リーダーシップコミッション
直紹介者とさらにその直紹介者までのデイリーコミッションの5%の報酬が発生します。
タイトルコミッション
DIRECTOR1以上のランクで、ランクを達成する毎に一回きりの報酬が発生します。
10ACTコミッション
10人の正協会員の直紹介を出すと、一回きり30,000円の報酬が発生します。
カーコミッション
MASTER1以上のランクを達成すると、毎月100,000円の報酬が発生します。
ハウスコミッション
DIRECTOR1以上のランクを達成すると、毎月100,000円の報酬が発生します。
39(サンキュー)コミッション※
マトリックスの組織図の一段目(3ポジション)と二段目(9ポジション)がすべて埋まると一回きり30,000円の報酬が発生します。
※このプランは、2019年末で終了したようです。
クジラモバイルの報酬プランは、種類も豊富で、継続収入も初期段階でそれなりに厚く、ペンギンモバイルに比べるとはるかに魅力的です。
まずは、とにかく、正協会員の直紹介を3人出せるかどうか、が勝負の分かれ目だと言えそうです。
クジラモバイルのポイント!
・紹介がまったくできなければ、三大キャリアを使っていた頃よりどんどん損が積み重なっていく。
・正協会員3人を含めた5人の紹介で月々の費用と相殺可能。
・その後の報酬は割と魅力的。
スターモバイルになって何が変わったの?
さて、2020年4月1日にクジラモバイルはスターモバイルと名前を改めました。
なぜ変わったのか?、何が変わったのか?、が気になる人も多いことと思います。
そこで、これについて、以下に簡単にまとめておきます。
なぜスターモバイルに変わったのか?
会社(企業)が説明する理由が次の3つです。
①株式会社にするため
②海外展開するため
③わかりやすくするため
海外展開については、何となくうなずけます。
クジラは日本語ですが、スターは英語なので、海外でもそのまま通じますしね。
スターモバイルになって何が変わったのか?
まず、株式会社化したということなので、運営団体が変わっています。
「一般財団法人日本IOT協会」は、「スターサービス株式会社」に変わりました。
そして、サービスの名称も「クジラ」とついていたものはほとんど「スター」に変わっています。
運営団体が変わったのに伴い団体の代表も変わっている点についても書いておきます。
もともとの「一般財団法人日本IOT協会」の代表は佐藤玲央奈さんだったのに対し、「スターサービス株式会社」の代表は金家亮氏のようです。
金家亮氏は、クジラモバイルの熱心なディストリビューターだったようです。
また、他にもワールドベンチャーズや2年前に一時話題となった仮想通貨のSPINDLE(通称 : ガクトコイン)などに関わってきた人物です。
会社(企業)を選ぶ際には経営者がどのような人かということも重要だと思います。
スターモバイルへの参加を検討している人は、ぜひ、こうしたことも参考にしてみて下さい。
さて、多くの人が気になるのは、費用や報酬のことだと思います。
まず、費用や報酬について、使用する用語の変更点を以下にまとめておきます。
正協会員 : 正規代理店
準協会員 : ユーザー会員
正協会費 : ロイヤリティ
準協会費 : サービス利用料
クジラコミッション : サポートコミッション
エバンジェリスト会費 : エバンジェリスト費用
では、まず、費用について。
サービス利用料に変更はありません。
つまり、電話を利用するだけの人にとっては何も変更がないということです。
一方、ビジネスをする場合は、変更点があります。
正規代理店になる際のスターターキットの価格が、2,000円の値上げとなっています。
もともと5,500円だったのが、7,500円となっているのでこの点は注意が必要です。
次に報酬について。
一部の人だけリクルートコミッションが500円増加しています。
リクルートコミッションは、直紹介ができたときに一回きり支払われるボーナスです。
この対象者は、18人以上の系列を2本持っている人です。
つまり、最低でも36人のダウンを持っている人ってことですね。
若干、今までよりも条件が厳しくなっている印象ですが、結局、大きな変更があったわけではなさそうです。
会社(企業)の名称や経営者の変更以外に大きな変化はなかったようです。
スターモバイルへの変更のポイント!
・株式会社化し、代表者が変わった。
・サービス利用料に変更なし。
・初期費用が2,000円上がり、一部の人の単発報酬が500円上がった。
格安SIM MLM(ネットワークビジネス)は稼ぎやすい?
格安SIM MLM(ネットワークビジネス)の魅力は、今の携帯電話をそのまま使い続けるだけでビジネスの権利を得る、そして、人に何かを買わせることなくコストの削減のメリットまでつけてサービスを紹介できる、という点です。
こうした格安SIM MLM(ネットワークビジネス)の魅力を知って、「これならたくさんの人が話に乗ってくれる」、「自分でもやれる」と思ってくれる人がどれだけ現れるか、がポイントになってきそうです。
この点について考えてみましょう。
格安SIMの普及
「NTTドコモ モバイル社会研究所」は、毎年1月にスマートフォンユーザーの動向調査を行っています。
格安SIMの利用率は年々増加しており、2019年の報告では格安SIMをメインで使っている人の割合は18%になっていることがわかっています。
つまり、今から一年前の段階で、5人に1人は格安SIMをメインで使っているということです。
ちなみに、30歳以上の人を対象にすると、20%を超えているそうです。
この普及率が今後どのように推移するか、は興味深いところですが、生活必需品の価格が安くなる、という格安SIMの最大のメリットに満足する人の需要は、既に一定数満たされつつあることは想像できます。
一般に、ひとつの市場で大儲けするためには普及率が16%未満のうちに参加しなければならないと言われていますが、格安SIMについては、今後、どうでしょう。
また、もうひとつ気になるのは、何もわざわざMLM(ネットワークビジネス)でなくても格安SIMの選択肢は他にもたくさんある、という点です。
格安SIMは、ペンギンモバイルやクジラモバイルの他にも、楽天モバイル、Yモバイル、UQモバイル、マイネオなど、強豪ぞろいで、楽天のネームバリューは大きく、Yモバイル、UQモバイルは契約できる店舗も多いなど、それぞれに強みがあります。
例えば、マイネオには余ったデータ通信料を転売できるという面白い特徴があります。
今、ヤフオクやメルカリで「mineo」や「パケットギフト」で検索すると、1GBあたり120~160円くらいでデータ通信料が売買されています。
【 国内の主な格安SIM 】
「不要」を新しい「必要」に変える難しさ
携帯電話市場は、誰もが使う生活必需品を扱う、という強みを持っている反面、一度その需要が満たされると、それ以外の「不要」の部分を新しい「必要」として提案するだけの足掛かりを探すのに大変苦労する印象があります。
特に、格安SIMの場合、価格を安くする、というコンセプト以外のサービスでブランドを際立たせていくことは困難で、基本的に、価格の安さで人の気を引き続けていかなければなりません。
例えば、格安SIMで利用できるのは今は4G回線ですが、現在、5G回線がどんどん普及しています。
2020年の1月には、ドコモから6G回線の構想が発表されています。
技術的な面では、格安SIMの市場は、三大キャリアの使い古しでしかありません。
また、五年前の話ではありますが、「NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社」という会社(企業)の「スマートフォンのデータ通信量と月額料金に関する調査結果」によると、月のデータ使用量が1GB未満の人が70.4%、1~2GBの人が12.9%、2~3GBの人が7.3%であるとのことです。
つまり、3GB未満の人が全体の90.6%を占めているということになります。
こうしてみると、例えば、クジラモバイルの50GBものデータプランを必要とする人はどれくらいいるのか、という点も気になってきます。
古い調査なので今は状況がある程度変わってきているかもしれませんが、それにしても50GBは少し多すぎる印象があります。
毎日映画を二本ずつ観る、というくらいのことはしないと、50GBには到達しません。
ペンギンモバイルの12GBでも、十分多いと言えます。
ペンギンモバイルでも、普通の人は3.6GBのプランで十分なのではないでしょうか?
生活必需品としての枠の外で「エスキモーに氷を売るようなサービス」を提案するだけではなかなかこれからの顧客獲得の新しい可能性は見えてきそうにありません。
ペンギンモバイルやクジラモバイルは、「わざわざ個人のセールスを通して契約をしてくれる人を探す」という縛りも別途突破していかないといけない、ということも忘れてはなりません。
先の報酬プランからもわかるように、これらのビジネスは、一般の利用者を獲得していくだけではほとんど大きな収入にはなっていきそうにありません。
まともに収入を得るには、そもそも、利用者の獲得の段階で苦労している場合ではない、ということです。
格安SIM MLM(ネットワークビジネス)でこれから代理店や正協会員を安定して増やし続けていくことがはたして現実的かどうか、ということについては、こうしたことも冷静に見た上で考えていく必要はありそうです。
格安SIMで成功するには?
・格安SIMは、急速に普及していて、一定の需要は満たされつつある。
・格安SIMは、いまや選択肢が溢れている。
・わざわざ個人のセールスを通して契約をしてくれる人がまだ身近にいるかどうか、が成功の鍵を握る。
インターネット(オンライン)集客はできるの?
ペンギンモバイルでは、インターネット(オンライン)集客によるリクルート活動は禁止されているようです。
当社が定める禁止行為
22)会員が当社の承認無しに、名称やロゴ・商標・著作物をコピーや転写すること及び資料・文書・名刺等を作成すること
23)会員が、当社の承認を得ずに、雑誌・出版物・インターネット・ラジオ・テレビ・折込広告・DM等のメディアを用いて、本ビジネスの宣伝広告を行うこと
25)当社が発行する書冊、カタログ、資料以外の、各会員が任意で作成した補助用品に誇大表示をすること及びそれを使用し勧誘すること
(ペンギンモバイルの概要書面から抜粋)
また、スターモバイルでも、インターネット(オンライン)集客によるリクルート活動は禁止されているようです。
6.禁止行為
9)チラシ・雑誌・新聞・インターネット上のホームページ及びEメール・その他の通信媒体を利用しての、いわゆる誇大・虚偽広告を行ってはいけません。
また、当社の許可無く、これらの媒体を利用して宣伝・広告・勧誘活動を行ってはなりません。
10)当社に無断で、当社の社名、商標、ロゴ等を使用することはできません。
(スターモバイルの概要書面から抜粋)
インターネット(オンライン)集客はできる?
・ペンギンモバイルでは、現在、インターネット(オンライン)集客はできない。
・スターモバイル(旧クジラモバイル)ては、現在、インターネット(オンライン)集客はできない。
MLM(ネットワークビジネス)に求められるもの
MLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)のおよそ99%が、五年以内に倒産、あるいは、撤退していくことは有名な話です。
参考までに、ペンギンモバイルは2015年11月に、クジラモバイルは2019年5月にサービスを開始しています。
ペンギンモバイルは2020年3月現在で既に四年以上続いており、クジラモバイルは間もなく一周年を迎える、ということになります。
格安SIMの市場ができたのは、ほんの五年前です。
2015年に電波法が改訂され、この頃は「スマホ代が節約できる」という言葉は新しく魅力的な響きがあったことは確かだと思います。
ただし、格安SIMは、いまやコマーシャルが頻繁に流れ、どれを選べばいいか迷うくらい私たちの日常の身近なサービスになってしまっています。
そうした意味では、両者とも、もう少し今後の売り上げの動向を慎重に見守った方がいいかもしれません。
また、MLM(ネットワークビジネス)で成功している会社(企業)は、ほとんどが健康や美をテーマにした製品やサービスを扱っている点も注目しておきたいところです。
幾つか例外があるのですが、少なくとも過去に家庭用電力や通信などのサービスが長く流行った試しはありません。
ダイレクトセリングの流通手法では、今日まで、品質が確かで、また、はっきりと他社と差別化ができるオンリーワンの特徴を持った製品やサービスを扱っている会社(企業)が大きく成功しています。
ただし、これらはこれまでの傾向であり、今後、例外が現れないとは言い切れません。
特に、昨今は、インターネット(オンライン)の環境の充実やSNSの普及が顕著で、この時代の流れに沿ったノウハウを上手く利用することはビジネスの成功を考える上で欠かせなくなってきています。
格安SIMのMLM(ネットワークビジネス)は、こうしたこれからの時代のビジネスではたして生き残れるかどうか?
最後に、その辺りの考察もしておきたいと思います。
価格の安さを口コミすることの難しさ
近頃は、SNSをやっていると、格安SIM関連のMLM(ネットワークビジネス)のDMの勧誘を受けることが多くなってきました。
DMの挨拶の文章は、だいたいがコピペで使い回しているものだろうと思われる内容です。
人によってはこういうものは迷惑なのかもしれませんが、筆者はMLM(ネットワークビジネス)に理解もありますし、受け取って悪い気分はあまりしません。
筆者も、昔、今とは別のビジネス環境でそれに近い活動をさせられていたことがあり、苦労がわかります。
実は、筆者が始めて格安SIMのMLM(ネットワークビジネス)を知った時は、SNSではなく、近所の足揉みマッサージ屋の主人に聞いたのがきっかけでした。
当時は、MLM(ネットワークビジネス)のインターネット(オンライン)集客のグループにいながら口コミも同時にこなす、といったことをしており、筆者は体も至って健康なのですが、口コミ勧誘の目的で二、三度、足揉みマッサージに通ったり、某大手ショッピングセンターでその主人と何度も立ち話をしたりするなどして、徐々に仲良くなり、どうにかタイミングをはかって、ある時、口説き落としたことを思い出します。
当時は、今じゃ考えられないような口コミやSNSの努力をしていたものです(泣)
その時、その相手も何かのMLM(ネットワークビジネス)をしている、ということは知っていたのですが、聞いてみると、それが格安SIMのペンギンモバイルでした。
その時、事業内容やビジネスプランを伝える動画を観させてもらい、漫画も読ませてもらって、新しいビジネスが始まる予感を感じたことを覚えています。
でも、筆者はペンギンモバイルには入会せず。
なぜかと言うと、ちょうどその頃、時代とともにこうした人を追いかけ回す勧誘手法に限界がきていることをほとほと感じていたからです。
「スマホ代が節約できます」
売り文句としては、当時、確かに魅力がありました。
ただし、先にも書いたように、市場ができたばかりの頃とは違い、格安SIMは、いまや世間の常識となり、急速に普及し、選べる会社(企業)の選択肢も増え過ぎてしまっています。
少なくとも、価格の安さの話には、もう、往年の新しさも輝きもありません。
にも関わらず、最近見かけるDMの売り文句には、やはり、まだ、スマホ代を節約できること以上のフレーズは見当たりません。
「伝説の利権」という言葉もよく見かけます。
これも、格安SIMができた当初から言われていた言葉です。
簡単に言うと、
携帯電話事業が始まった当初、代理店事業に参加した人は今は億万長者になっている。
格安SIMは今がチャンスだ!
乗り遅れるな!!
と言った内容です。
当時、携帯電話は最先端の技術で、利用者もほとんどいない状態でした。
そこからほぼすべての人が携帯電話を利用するようになるだけ普及したからこそ、億万長者を生み出すことができた、ということが言えます。
格安SIMでこれができるか、というとまったく話が違ってきます。
過去の携帯電話のケースと同様に当てはめて、格安SIMで「伝説の利権」の話を持ち出すのは少しお門違いかもしれません。
携帯電話業界が常に最新の技術を展開し、通信速度を上げていく中、今後、格安SIMの市場がどの程度頑張れるか、という点は、筆者は実は今は少し冷めた目で見ています。
また、格安SIMは、お得感以外の部分でアピールする強力な切り札に乏しい点で、今は誘い方にも工夫が要り、難しい気がします。
時代とともに、「スマホ代が節約できる」の口コミのハードルは一気に上がってきているのではないでしょうか。
SNSのコミュニケーションが主流になっている今、「安さを売り込む」とは違う「あなたらしさを売り込む」口コミのちょっとした気配りのコツが、スピード感のある集客を実現する鍵になってきそうです。