MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランバイナリーのコツとは?
MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランのことに興味を持っている人は多いと思います。
中でも人気なのは、おそらく、バイナリーでしょう。
かねて、
「バイナリーだから絶対上手くいくと思っていたのに、現実はまったく甘くなかったΣ( ̄□ ̄|||)」
なんてMLM(ネットワークビジネス)の経験談もよく聞きます。
取り組むひとりひとりの人がはたしてバイナリーにどういうイメージを持っているのか、はさておき、それだけバイナリーが、昨今、注目度の高い報酬プランであることがうかがえます。
バイナリーの人気や難しさはどんなところにあるのか?
成功者は何が違うのか?
この記事では、バイナリーの長所や短所、それから、工夫を凝らした最近の新しいバイナリーのシステムのことについても見ていこうかと思います。
バイナリーの他にもよく知られる代表的な報酬プランのシステムは幾つかありますが、そちらに興味のある方は、よかったら下の記事もご覧下さい。
Contents
報酬プランのバイナリーって?
MLM(ネットワークビジネス)の取引のシステムは、1940年頃にアメリカで始まったと言われています。
その報酬プランのひとつであるバイナリーは、他のブレイクアウェイなどと比べると少し歴史が浅く、登場したのは1980年頃だそうです。
バイナリーは、本来の意味は二進法のことを言います。
MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン以外でも、例えば、コンピューターの0と1のふたつだけでできたデータを「バイナリデータ」、上がるか下がるかのふたつだけを予想する投資商品を「バイナリーオプション」と呼ぶように、バイナリーという言葉は既に様々なシーンで使われています。
さて、その中で、MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランであるバイナリーとはいったいどういう意味の言葉なのでしょう?
MLM(ネットワークビジネス)は人を紹介して販売組織を拡大していくことを目的にしていますが、一般に自分の紹介した人のことをダウンと呼んだりします。
MLM(ネットワークビジネス)では、自分の下にダウンをどんどんつけていって組織を拡大していきます。
ちなみに、自分から見て上の人のことはアップと言います。
この組織を拡大していくという方針は、どの報酬プランでも同じ。
バイナリーでも、他の報酬プランと同様、自分の下にダウンを増やしていくことで組織を大きくしていきます。
さて、バイナリーなのですが、
このダウンを自分の真下の左右にひとりずつだけしかつけられない、
というルールがあります。
このことが、二進法の意味を持つバイナリーの報酬プランの名前の由来になっているわけなんですね。
このため、
自分が三人以上の人の紹介を出した時は、自分の左右のダウンの下にさらに人をぶら下げていくことになります。(図1)
(図1)
概ね、このぶら下げる先は、最初は左から、などと決まっています。
後は、自分のダウンの枝を左右のうち規模の小さい方へとたどって(図2)行き着いた先、というルールで収まっていきます。
新規の紹介が入る度に、この操作が繰り返されていきます。
(図2)
例えば、上の図のように、自分が1、2、3、4、5、6の順でダウンのポジションを埋めていく下で、1の人が1-1、1-2、1-3、1-4という順でさらにその下のポジションを埋めていく、といったことが起こります。
ただし、中には、配置するポジションを指定できるルールのバイナリーも存在します。
で、実は、このぶら下げが、バイナリーの長所と短所とを同時に生み出す原因にもなっているんです。
注意しておきたいところは、MLM(ネットワークビジネス)の初心者の人ほどこのうちの長所ばかりに目を奪われがちになる傾向がある、ということなんです。
逆に、MLM(ネットワークビジネス)の成功者と言われる人ほど、この長所と短所の両方の側面のことをよ〜く知っていたりします。
この辺りのことについて、これから一緒に見ていきましょう。
バイナリーはなぜ人気なの?
先にあげたバイナリーのルールをもう一度書いておきましょう。
ダウンを自分の真下の左右にひとりずつだけしかつけられない。
自分が三人以上の人の紹介を出した時は、自分のダウンの下に人をぶら下げていくことになる。
これを長所として眺めるなら、次のようなことが言えます。
共通のライン上で縦に組織を伸ばしていくことになりやすいため、共通の利益に向かって、全員で力を出し合うことができる。
また、このことから、仮に、
自分にスポンサー能力がなくても(人を勧誘して紹介を出すことができなくても)、自分の上にスポンサー能力に長けた優秀なアップがいれば、その人が自分の下にダウンをどんどんつけていってくれる可能性がある、
ということ。
つまり、運がよければ、自分は何もしなくても組織が拡大していって収入が発生する、ということにもなるんですね。
このように、上から自分に人が降ってきてダウンがつくようなケースのことを、スピルオーバーと言ったりします。
バイナリープランに興味を持ってMLM(ネットワークビジネス)を始める人の大多数が心の奥で大いに期待していることをずばり言い当てるとですね、要は、これなんですよ、これ(笑)
スピルオーバーなんです。
大人の階段昇〜る〜♪
君はまだ〜シンデレラさ〜♪
しあわせは誰かがきっと〜♪
運んでくれると信じてるね〜♪
って、昔、そんな歌がありましたけどね。
まさに、それなんです。
この報酬プランなら、誰かが自分にダウンを運んできてくれるかもしれない。
つまり、バイナリーは、ある意味で、シンデレラを夢見みがちになっちゃう報酬プランだとも言えるんですね。
もし、これを読む中にバイナリーのMLM(ネットワークビジネス)をやっている人がいれば、ひょっとしたら、こんな言葉に誘われたのがきっかけだった、っていう人もいるのではないでしょうか?
「あなたが人を紹介しなくても稼げるから、どう?」
って。
このスピルオーバーの仕組みの説明を初めて聞いた人は、感激しちゃうんです。
なんて素晴らしいシステムなんだろう!
って。
先に書いたように、バイナリーは比較的歴史の浅い報酬プランではあるんですが、にもかかわらず、MLM(ネットワークビジネス)の稼ぎ方のうち、今、最も飛びつく人の多い大人気の報酬プランにもなっています。
参加者が多いとなれば、当然のことながら、バイナリーを採用する会社(企業)は増える一方なわけです。
新しい製品やサービスでMLM(ネットワークビジネス)を立ち上げてみようという会社(企業)の多くが、今、このバイナリープランを採用するようになっています。
今述べたように、この話だけを聞くと、何となく初心者の人でも簡単に稼ぐチャンスをもらったような気がしてきますし、人気が出るのは当然のことだとも言えます。
そして、もうひとつ、初心者にとっては、バイナリーの報酬プランは構造がシンプルでとてもわかりやすい、というのがいいんですよね。
何しろ、人の増え方としては、自分から始まって単純にふたつずつの枝が左右に伸びていくだけなんですから。
まるで、学校の理科で出てきた細胞分裂みたいで、ちょっと楽しくなりませんか?
自分の下に2人。
その下にいつの間にか4人。
そして、その下が8人に。
16人に。
32人に。
64人、128人、256人・・・1,024人・・・。
・・・・・・16,384人♪o(≧▽≦)o♪
もう、イケイケドンドンです。
バイナリーは、皆が平等に力を合わせれば、目標も実に単純だったりします。
ひとりがふたりずつ人を紹介すればノルマ達成、ってことです。
後は、自分が紹介したふたりの人がまたさらにふたりの人を紹介する。
そのまたふたりずつがさらにふたりずつを紹介する。
これが繰り返されるだけで安定した権利収入(不労所得)がゲットできる。
どうして、世の中、皆、バイナリーをやらないんだろう?
と、もはや、不思議にさえなってくる。
時には、ふたりの人を紹介できない人も現れるかもしれません。
でも、そんな時もお構いなし。
我らが正義の味方、スピルオーバーの出番が待っています。
ふたりの人を紹介できない人がいても、一方で、「三人くらい俺に任せろ!」という人だってきっと現れるに違いない。
その人が伝家の宝刀スピルオーバーを発動すれば、それで万事解決しちゃう。
ちなみに、MLM(ネットワークビジネス)をやっている人は、全体の平均で2.3人の人を紹介する、というデータがあるんだそうです。
アメリカのハーバード大学の研究チームがしっかりと調査をした上でこの統計の事実を発表しているそうで、よくはわかりませんが、かなり信ぴょう性のある情報だと見て間違いなさそうです。
となると、MLM(ネットワークビジネス)をやる人の一人当たりの紹介人数の期待値は2.3人ってことになります。
人並みの実力の人であれば、バイナリーのミッションである自分の真下の二人の紹介くらいなら相当高い確率で簡単にこなす、ってことが期待できるわけです。
しっかりとバイナリーで繋いでいくには、正確には平均点以下の実力があれば十分ってことです。
ひとりひとりが高得点を狙うストライカーである必要すらありません。
ましてや、バロンドール並みの選手なんか、そんな人、まぐれで現れてくれたら大儲け、くらいの気持ちででいればいい。
だって、どう転んでも、皆が平均点ちょい下くらいのゴールが出せれば勝利は確実なんだから。
普通に考えてみれば、難しくないでしょう?
こんなに初心者に優しいプラン。
それがバイナリーなんですよ。
だから、強気にいきましょう。
・・・・・・
・・・
と、こんな風に勧誘を受けた人、いませんか?
で、
「はい、今すぐにサインします!」
って答えちゃった人、いませんか?
こういう理屈を聞かされると、バイナリーのMLM(ネットワークビジネス)なら勝利は確実、とそんな感じがしてきますよね。
でも、実際にそんなに上手くいくことはほとんどありません。
なぜなんでしょう?
バイナリーはなぜ挫折しやすいの?
しっかりふたりずつを紹介する、という意識を持ってバイナリーに取り組み、一見ハードルの低そうにも思える及第点の成果を出せるメンバーがちゃんと揃って、左右の枝がまるでピラミッドのように綺麗に伸びていけば、皆がバイナリーで幸せになる算段のはずなんですが、現実は、ほとんど確実と言っていいほど、そうはなりません。
なぜなんでしょう?
ひとつは、ビジネスへの誘い方に問題がある場合がありそうです。
人を誘う時、なるべく多くの人の気を引くために、「登録するだけで儲かる」とか「あなたは待っているだけでアップが儲けさせてくれる」とか、そういう誘い文句で勧誘することが少なくなかったりするのが原因だったりします。
このタナボタ感がある意味ではバイナリーの人気に一躍買っていたりもするかもしれませんが、その反面、これだと、ほんの軽い気持ちでビジネスに参加する人も多くなってしまいます。
これでは、組織がなかなか活性していきません。
誰かが上手いことやってくれる、という人ばかりの集まりでは、待ちの姿勢に回るムードが集団に蔓延して、いずれ成長は止まってしまいます。
どうしてもスピルオーバーのことが頭にチラつくバイナリーは、他力本願になりやすく、組織内の高い意識やモチベーションを維持するのに相当気を使う、というところが、隠れた泣きどころのひとつでもあります。
そして、もうひとつ、報酬プランの特徴にも落とし穴があったりします。
ほとんどの場合、バイナリーは次のようなルールを持っているんですね。
収入の対象として計算されるのは、自分の下に伸びる枝のすべてではなく、左右に伸びる枝のうち売上合計の低い方のみ。(図3)
(図3)
つまり、どこでもいいからとにかく枝が伸びれば成功、というわけにはいきにくいんです。
一番理想的なのは、自分の下に伸びる枝の左右が均等の大きさで拡大していくことなんですが、バイナリーの細部のルールにもよりますが、これが、通常、なかなかそう上手くいきません。
何もせず放っておいたら片方だけが伸びていく、というケースならあります。
これは、スポンサー活動に励んで頑張っているラインにどうしてもばらつきが出やすい、ということでもあります。
こういう勢いよく伸びているラインに自分のポジションが位置している時、それは誰かのパワーラインに乗っている可能性が高い、と言えます。
パワーラインというのは、アップが協力して一緒に伸ばしてくれやすいラインのことです。
こうやって枝の片方だけでも伸びてくれれば、もう片方(ペイラインと呼んだりします)を自分とダウンで協力して伸ばしていってカバーしていけばいいわけなのですが、
運が悪いと、このパワーラインとは逆のポジションにぶら下がってしまうこともあり、その場合、ほとんど人は誰も上から降ってきません。
このように、バイナリーは組織のそれぞれのポジションの思惑が錯綜しがちなこともあり、最初に与えられるポジションが悪いと、スピルオーバーに頼らずに左右2系列分に満遍なく気をつかう羽目になり、そこそこ不利がデカいのが特徴です。
一般に、バイナリーは、
自分の真上にいる人が強力なスポンサー能力を持つ(たくさんの人を誘い入れることのできる)アップであるかそうでないか、が成功を左右します。
上に書いたように、枝の伸びの全体が報酬の対象になるわけではありませんから、バイナリーは、よほど運がいいか、あるいは、上手にダウンのポジションを取っていかなければ、概ね、ダウンの人数の増加の割に発生する報酬は思っているほどにはなりません。
また、勢いに乗って枝を伸ばすこともできたりするバイナリーですが、一方で、組織がしぼんでいくのが早いケースが多いのも特徴です。
さて、余談ですが、MLM(ネットワークビジネス)をやっている私の知り合いにこういう人が実際にいます。
バイナリーの会社(企業)でビジネスを始めてすぐにダウンが何人かついたんだそうです。
で、それから一年くらい経って尋ねてみると、その人はまだ同じ会社(企業)のビジネスで頑張っていました。
「最近、調子はどう?」
と尋ねると、相変わらず、との返事。
ダウンの数は以前と同じままであるとのことです。
「それで、まだやるつもりなの?」
とさらに尋ねてみると、もうちょっと頑張ってみる、とのこと。
その理由を尋ねてみると、答えはこうでした。
「いつか、きっといいことがあるかもしれないから」
報酬プランにもよりますが、特に、最初の登録時の出費が大きいビジネスだったりすると、なかなか諦めもつかないものです。
一方で、続けている間にも月々の出費などは確実にかさんでいったりもします。
あまりやる気のない人だと、その人の下にダウンをつけてもせっかくのスピルオーバーが丸ごとパーになってしまう可能性もありますので、ますますダウンが降ってくる機会も遠のいていくはずです。
報酬プランがどう、ということによらず、MLM(ネットワークビジネス)をやるからには、漠然とありもしない未来のタナボタを期待するのでなく、具体的に踏み出す自分の一歩が必要である、ということだけはどうやら言えそうです。
バイナリーで高い実績をあげている会社(企業)
近年は、バイナリーの報酬プランを採用しているMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)がとても多いです。
新しく立ち上がるMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)の多くが、バイナリーを採用しています。
また、どの報酬プランを採用しているか、に関わらず、日本国内だけでMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)は既に数千社あるとも言われています。
ところが、そのうち、実に九割以上の会社(企業)は設立から五年と立たないうちに成長を止め、消えていってしまう、という厳しい現実があることをご存知でしょうか?
安定して長期的に稼げる会社(企業)なのかどうか?
このことは、MLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)を選ぶ上で最も重要なことです。
せっかくたくさんのダウンを抱え、組織を拡大しても、会社(企業)自体がなくなってしまってはそこで収入が途絶えて、すべては水の泡です。
また、MLM(ネットワークビジネス)の世界は、割と経験の長い人たちが立ち上げ時期の話題性のある会社(企業)にまとまったグループ規模で参加してくることがあります。
こうした中には、会社(企業)の勢いが旬を過ぎると、また、グループごと一斉に別の会社(企業)へと移っていく、というケースさえあります。
特に、スピルオーバーがある性質上、早い者勝ちの色の強いバイナリープランのMLM(ネットワークビジネス)では、このことが起きやすいのです。
したがって、MLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)を眺める上で、設立から何年経っているか、は会社(企業)を選ぶ上での判断基準のひとつとしてポイントになりそうです。
そこで、参考までに、今回の記事のテーマであるバイナリーの報酬プランを採用している会社(企業)のうち設立からある程度の時間が経っていて、かつ、売上実績の高い会社(企業)を調べて、その幾つかを以下に挙げてみます。
ナチュラリープラス
(1999年設立、2019年度日本国内売り上げ実績11位)
ニナファームジャポン
(2003年設立、2019年度日本国内売り上げ実績24位)
アライヴン
(2005年設立、2019年度日本国内売り上げ実績26位)
KZ1ジャパン
(2008年設立、2019年度日本国内売り上げ実績33位)
イオスコーポレーション
(2003年設立、2019年度日本国内売り上げ実績50位)
マナテックジャパン
(2000年設立、2019年度日本国内売り上げ実績51位)
M3
(2007年設立、2019年度日本国内売り上げ実績51位)
スターライズジャパンホールディングスリミテッド
(2005年設立、2019年度日本国内売り上げ実績60位)
いずれも健康か美容に関する製品を主力として扱っている会社(企業)のようですが、この中には知っている名前もあるのではないでしょうか。
こうしてみると、バイナリーの報酬プランだから短命ということでは決してなく、実に、設立から二十年以上もの間、安定した売上実績を守っている会社(企業)も存在することがわかります。
工夫された新しいバイナリー
ここまで、バイナリーの報酬プランの特徴について色々と見てきましたが、近年、バイナリーの長所を継承しつつも、他のシステムの長所も取り入れて、バイナリーの抱えやすい弱点を補っていこうという狙いを持った新しいシステムの報酬プランも見かけるようになっています。
最後に、そうした新しいバイナリーの一例について紹介しておこうと思います。
最近、有名なのが、サンクスアイという会社(企業)の「グローバルコンポジットバイナリー」と呼ばれるプランです。
直訳すると、「包括的複合バイナリー」とでも呼べばいいのでしょうか。
報酬プランの中で幾つかのシステムを組み合わせるケースは今はそれほど珍しくはないかもしれませんが、この会社(企業)では、ペアボーナスやバランスボーナスなどの複数の報酬プランを折り合わせることで通常のバイナリーにありがちな弱点を克服しようとしています。
報酬プランの内容については上にURLを貼ったサンクスアイの公式の動画に詳しいですが、以下に簡単にピックアップして紹介します。
まず、ペアボーナスというのは、これはバイナリーの左右の枝の段数に単価をかけて計算される報酬です。(図4)
報酬の対象となる段数には制限があります。
(図4)
この報酬の計算に使用される単価は、自分が直接紹介を出した人の人数によって変化し、また、自分がどれくらい購入しているか、によっても変化します。
自分の直接紹介した人の人数も収入の計算に考慮されるため、スポンサー活動に励んだことがきちんと評価されるシステムである、と言えるかと思います。
また、左右の枝の途中のポジションに購入がない人が現れてもその下のポジションにいる購入者が繰り上がって枝をつないでいくことが段数無制限で行われる、というコンプレッションと呼ばれるルールなどの配慮もされているようです。
バランスボーナスというのは、これは一定のタイトル以上の保持者であることを条件に発生する報酬ですが、こちらも中身が画期的です。
通常、バイナリーでは左右の枝のうちの小さい方の枝の売上合計額を対象に報酬が計算されますが、このバランスボーナスでは、左右の枝のうちの大きい方の売り上げからも一定の割合で報酬が発生し、その計算に使用される単価はタイトルのランクが上がるにつれて大きくなっていきます。
バイナリーの左右の枝が片方に偏りやすい現実に配慮したシステムになっている、ということが言えます。
この報酬の対象は段数無制限ですが、報酬月額にはタイトル毎に上限が設定されています。
このサンクスアイのバイナリーの二種類のシステムは、内容がやや複雑であるものの、先にあげたバイナリーのふたつの挫折の原因である
①他力本願になりやすい点
②左右の枝が偏りがちでポジションの不利が大きくつく点
このふたつにそれぞれ対応した形にもなっていることがわかります。
サンクスアイに代表されるこうした近年の新しい報酬プランからは、MLM(ネットワークビジネス)に関わる人々の実際的なニーズに細やかに応えようという動きが見えてきます。
循環型システム
最近、特にバイナリーの報酬プランを採用する会社(企業)でちらほらと見かけるようになったシステムに、循環型というものがあります。
最後に、この循環型について見ておきます。
循環型は、一度登録すると同じポジションで製品やサービスのリピートができない、という点に特徴があります。
製品やサービスをリピートする時は、ダウンの下に別のポジションを取って新たに登録しなければなりません。(図5)
(図5)
したがって、リピートが発生する度に同じメンバーの組織内でポジションが増えていく、ということが起きます。
もちろん、報酬は、もともと持っているポジションからも新たにダウンの下に取ったポジションからも入ります。
通常、MLM(ネットワークビジネス)では組織のメンバーの間でアップとダウンの関係は固定されていますが、この循環型では、リピートが発生する度にアップとダウンの関係が入れ替わったポジションが発生していきます。
このシステムを採用するプランは、もうひとつ、最初に数十万円程度のまとめ買いをさせる点にも特徴があります。
したがって、ひとつポジションが増える度にそれなりに小さくない報酬が返ってきます。
循環型は、リピートの必要もなく、一見、従来のMLM(ネットワークビジネス)と比べて、手軽にチャンスも広がり、また、組織が拡大していきやすそうな印象があります。
しかし、このシステムには大きな問題もあります。
つまり、リピートが発生しない、ということは、新規登録がなくなると報酬がすぐにゼロになってしまう、ということです。
循環型は、基本的に、常に、新規登録者を探し続けていかないといけないプランだということが言えます。
これでは、安定収入にはなりません。
また、循環型を生かしていく、ということは、要は、通常のMLM(ネットワークビジネス)で言うところの、リピートを期待する、ということと結局は同じです。
ところが、最初に数十万円程度のまとめ買いをさせるプランと消費の度にリピートができるプランとどちらが人々のライフスタイルに馴染みやすくリスクもなくリピートが発生しやすいか、ということを現実的に考えたなら、答えは後者であることは歴然です。
循環型を投資になぞらえてメリットを強調する向きもありますが、実際には、投機、つまりギャンブルだと見る方が冷静です。
真新しいシステムなのでつい興味を誘いがちですが、こうしたMLM(ネットワークビジネス)をやる際は、初心者にとっては相当リスクの大きいプランであることは覚悟の上でやることを勧めておきます。
バイナリーのまとめ
こうしてみると、バイナリーは、報酬プランの中でもポジション取りについて回るゲーム性がきわめて高い、と言え、初心者向けの報酬プランだと思って甘く見ると大間違いである、ということがわかります。
ゲームならではの意外な落とし穴も潜んでいたわけです。
むしろ、早く始めた人、始めから大きな人脈を持つ熟練者の人に有利な報酬プランである、と言えるでしょう。
大切なのは、MLM(ネットワークビジネス)はバイナリーの報酬プランだから成功しやすい、ということでもなければ、MLM(ネットワークビジネス)で成功する人はバイナリーを選んだから成功者になった、ということでもない、ということです。
特に、
滅多にスピルオーバーが発生しない状況であっても上からダウンが降ってくるのをいつまでも期待させがちになる点で、バイナリーは、初心者にとっては心理的なワナにはまる可能性のきわめて高い報酬プランである
と言えます。
熟練者と多くの初心者とではスタートラインがまるで違う、という現実もしっかりと見つめて、場合によっては、しっかりと現実的に目標を立てやすいやり方に切り替える姿勢も重要になってきます。
以上、バイナリーの報酬プランについて見てきました。
成功しやすいMLM(ネットワークビジネス)を考える上で、あるいは、これから活動をしていく上での参考になれば幸いです。