MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン~種類と仕組み~

 

この記事では、MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランの主な種類と仕組みについて見ていきます。

 

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランとは何か?

MLM(ネットワークビジネス)は、「製品やサービスを購入することで会員となり、会員が誰かを誘って会員にし、その誘われて会員になった人がまた別の誰かを誘って会員にする」、このことを繰り返すことで階層組織を形成し、製品やサービスの流通網を拡大していく、という点でどれも共通しています。

 

 

この「組織を作る」活動によって、会員に収入が入ってくるわけです。

この収入のことは、MLM(ネットワークビジネス)の世界では「報酬」と呼ぶのが一般的です。

報酬は、他にも、ボーナス、あるいは、コミッションなどと呼ばれたりもします。

報酬は、組織の会員の人数、または、製品やサービスの購入金額の増加に伴って、対象範囲も拡大して、増加していきます。

 

MLM(ネットワークビジネス)では、会社(企業)ごとに、意図する組織の販売網の形成の仕方が異なります。

報酬も、その組織の形成の仕方に応じた発生の仕方をします。

会社(企業)ごとに設けられた特徴ある報酬の発生のシステムのことを、一般に、「報酬プラン」と呼びます。

MLM(ネットワークビジネス)の代表的な企業が採用している報酬プランのシステムは、ほとんど三種類で、ブレイクアウェイ、バイナリー、ユニレベルの通称で知られています。

 

厳密にはさらに幾つか存在しますが、それらは、いずれも、この三種類に関連したものです。

だいたいは、それぞれを組み合わせたり応用をしたりしたものが別の名前で存在します。

 

この記事では、まず、よく知られる代表的な三種類の報酬プランであるブレイクアウェイ、バイナリー、ユニレベルについて先に解説し、その後に、他にもよく耳にする名称について見ていきましょう。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン①~ステアステップ~

まず、ブレイクアウェイについて見ていきたいのですが、システムとしては、ステアステップというものが前提として存在し、それにブレイクアウェイを加える、というやり方を多くの企業が採用しています。

そこで、まず、ステアステップとは何か、について先に説明します。

 

ステアステップは、「代理店方式」、「多段階方式」とも呼ばれます。

これは、MLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)が提供する商品を会員が低価格で仕入れて定価で販売していくやり方です。

したがって、差額の利益が会員の収入になっていく仕組みになっていて、一見、一般の代理店や特約店などと変わらないように思えます。

 

ただし、MLM(ネットワークビジネス)のステアステップの場合、会員の報酬の発生の仕方に特徴があって、組織で発生する商品の売上の利益は、会員の売上の成績に応じて皆で分配していく、という方法を取ります。

 

MLM(ネットワークビジネス)では、会員の組織が膨らみ、売上金額が大きくなり、それらが一定の基準に達することで、その成績に応じて獲得するタイトルというものが存在します。

また、売上の利益から会員に配当される割合は、上限が決まっているのが通常です。

 

ステアステップでは、高い地位のタイトルを保持すればするほどその会員へ配当される利益のパーセンテージは大きくなっていきます。

さらに、低い地位のタイトルを持つ会員への配当で残った利益の余剰分は高い地位のタイトルを持つ会員が拾っていきます。

こうして会員の保持するタイトルの地位の序列に応じて配当を拾っていく構造が、「階段」という意味のステアステップの名称の由来になっているようです。

 

 

通常、MLM(ネットワークビジネス)では、会員の組織が拡大するに連れ、高いタイトルを保持する会員が増えていくものです。

ステアステップでは、会員が作る組織の中に自分と同等以上のタイトルを保持する会員が発生すると、そこから先の流通で発生する利益は、余剰分が残らないため、得られなくなってしまいます。

このような事情があるため、ステアステップは、一般に、ブレイクアウェイなどの他のシステムと組み合わせることで用いられることが通常です。

 

現在、ステアステップのシステムだけを単独で採用しているMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)は、ほとんどありません。

 

Point!

・ステアステップでは、低い地位のタイトルを持つ会員への配当で残った利益の余剰分を高い地位のタイトルを持つ会員が拾っていく。

・ステアステップは、多くの場合、ブレイクアウェイなどの他のシステムと併用される。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン②~ブレイクアウェイ~

ブレイクアウェイを採用している主な日本国内のMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)は、

 

日本アムウェイ、

三基商事、

ニュースキンジャパン、

フォーエバーリビングプロダクツジャパン、

ハーバライフ・オブ・ジャパン、

エックスワン

 

などです。

 

ブレイクアウェイは、MLM(ネットワークビジネス)史上で最初に生まれた報酬プランのシステムで、それだけに、歴史が古く、この報酬プランを採用している会社(企業)を挙げてみると、伝統と知名度のある顔ぶれが多く名を連ねます。

ブレイクアウェイは、「脱退」、「切断」、「分離」などの意味を持ちます。

 

このブレイクアウェイが先のステアステップと異なるのは、

会員の作る組織が拡大し、組織の売上が大きくなり、その中に一定の基準を満たす活躍をする会員が現れると、その会員の持つ組織は、新たに別のものとして切り離され、独立(ブレイクアウェイ)する点です。

ブレイクアウェイでは、会員の作る組織の中から独立していく会員が現れると一時的にその影響で報酬が下がりますが、独立させる会員の数が増えるにつれ、やがて、発生する報酬は大きく上がっていきます。

 

 

ブレイクアウェイは、リーダークラスを多く輩出することで報酬も跳ね上がることから、大きく稼ぐ、という点だけを見れば、全報酬プランの中で随一のシステムです。

ただし、タイトルの地位を獲得したり維持したりするための売上のノルマは厳しいのが通常で、そのため、会員は商品の無理な買い込みなどに走るケースが多発しやすいのもこの報酬プランの特徴と言えます。

ブレイクアウェイのシステムは、本格的にビジネスとして取り組む人にとっては夢があると同時に、初心者や副業で取り組む人にとってはきわめてハードルが高いと言えるでしょう。

 

Point!

ブレイクアウェイのメリット

・組織の会員を育て上げ、次々に独立させることができれば、大きな収入が期待できる。

ブレイクアウェイのデメリット

・自分のタイトルの地位を維持するため、あるいは、組織の会員を独立させるために、商品の過剰な買い込みをしがち。

 

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン③~バイナリー~

バイナリーを採用している主な日本国内のMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)は、

 

ナチュラリープラス、

ニナファームジャポン、

イオスコーポレーション

 

などです。

 

バイナリーは、日本のMLM(ネットワークビジネス)の歴史の中でも、比較的新しいスタイルであると言えます。

バイナリーは、本来、「二つの要素からなるもの」、「二進数」のことを意味します。

 

MLM(ネットワークビジネス)のバイナリーは、ひとりが最大でふたつまでのフロントラインを作りながら、ペアのダウンラインの枝をピラミッド状に伸ばして組織を大きくしていくシステムです。

バイナリーではひとりがふたつを超えるフロントラインを作ることができないため、三人以上の紹介を出した場合は、順次、下のダウンラインの空席を埋めていくことになります。

このため、なかなか勧誘のうまくいかない人でも、バイナリーの報酬プランのMLM(ネットワークビジネス)であれば、誰かが自分のダウンラインを作ってくれること(これをスピルオーバーと呼ぶ)を期待できるため、バイナリーは、特にMLM(ネットワークビジネス)の初心者には人気の高い報酬プランです。

ただし、バイナリーの報酬プランには、次のような特徴があるので注意も必要です。

 

ピラミッドの左右の長さが違う場合、短い方(売り上げの合計の小さい方)の枝に含まれる組織人数の分しか報酬の対象にならない。

 

 

このような事情から、通常、バイナリーは、ダウンラインの位置ごとにそれぞれのダウンの思惑が錯綜しがちで、左右の長さのバランスが取れた綺麗なピラミッドの組織を作ることができることは稀で、概ね、左右のうちの片方の枝だけが伸びてしまうケースがほとんどです。

こうなると、組織の中に報酬の対象にならない無駄なダウンラインの枝をたくさん抱えてしまうことになります。

また、組織の中にたくさんの人を誘い入れることができる優秀な人がいると、その下にぶら下がっている人たちは、その人が自分たちの下に組織を作ってくれることを期待しがちになり、そうなると、全体的に活動が停滞して、すぐに枝の伸びが止まってしまいます。

 

つまり、バイナリーは、紹介者の人数の割に報酬の見返りの燃費効率が悪くなりやすく、人が育たない環境を生みがちで組織が長持ちしにくい、という弱点も抱えているわけです。

実際、バイナリーの報酬プランを採用している会社(企業)の中には、比較的創業から早い段階で組織の拡大が止まってしまうケースも多いです。

バイナリーでは、ひとつの会社(企業)で組織を作って数年くらいでまた別の新しい会社(企業)へと組織ごと移っていくことを繰り返す人もよくいます。

 

いずれにせよ、バイナリーの報酬プランでMLM(ネットワークビジネス)をやる場合は、スポンサー能力の高いアップの真下の位置につけるかどうか、が成功の鍵を握っています。

 

Point!

バイナリーのメリット

・スポンサー能力に長けていない人でも、誰かが自分のダウンラインを作ってくれること(スピルオーバー)を期待できる。

バイナリーのデメリット

・組織の人数の割に報酬の見返りの効率が悪い。

・人が育たない環境を生みがちで組織が発展しにくい。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン④~ユニレベル~

ユニレベルを採用している主な日本国内のMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)は、

 

フォーデイズ、

モリンダジャパン、

ドテラジャパン、

カイアニジャパン、

 

などです。

 

ユニレベルも、ピラミッド状に組織を大きくしていくシステムである点で、一見、バイナリーと似ています。

ただし、ユニレベルでは、フロントラインを多く、あるいは、無制限に並べることができます。

 

ユニレベルの「ユニ」は、「第一の」、「単一の」という意味です。

ユニレベルでは、誘った人を第1レベルとして幾つも自分のフロントラインにすることが可能です。

誘われた人も、同じように別の誰かを誘うことで第1レベルのフロントラインを横に並べていきます。

この場合、自分の誘った人が誘った人は、自分から見て、第2レベルです。

このように第1レベル、第2レベル、第3レベル・・・というやり方で組織を拡大していきます。

 

 

このため、たくさんの人を誘い入れることができる優秀な人も、そうでない人も、

 

それぞれに自力で組織を作っていくことになりやすく、ユニレベルは、常に、組織の枝の末端が活動の最前線になり、人が育ちやすく、ピラミッドが拡大し続けていきやすい、

 

ということが言えます。

 

また、ピラミッドの形によらず、基本的に、組織の全体が満遍なく報酬の対象になるので、ピラミッドの枝がどのように伸びても報酬の面で無駄が出ず、組織がまだ小さい段階でも報酬が比較的早く発生しやすい、という点も特徴です。

 

ユニレベルの報酬プランを採用している会社(企業)は、製品やサービスのリピーターの定着を特に重視している傾向が強いです。

このため、買い込みをするケースには陥りにくいものの、会社(企業)側に製品やサービスに対するよほどの自信がなければリピートが発生せずになかなか組織が拡大していかない、という側面もあります。

 

ユニレベルの報酬プランが採用される場合、報酬の対象になるレベル数に制限が設けられていることが多いです。

 

このため、ユニレベルは、一般に、タイトルを獲得することで、他の報酬を追加したり、レベルごとの報酬の還元率の分布に変化を与えたりなどがされています。

 

Point!

ユニレベルのメリット

・人が育ちやすく、組織のピラミッドが拡大し続けていきやすい。

・比較的早く報酬が発生し、ピラミッドの枝がどのように伸びても報酬の面で無駄が出ない。

・買い込みで金銭的に無理ををするケースに陥りにくい。

ユニレベルのデメリット

・自力で組織を作っていくことになりやすく、個々のスポンサー能力を問われる。

・会社(企業)の製品やサービスが悪いとリピートが発生せず、組織が拡大しにくい。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン⑤~マトリックス~

マトリックスは、数学の「行列」の意味を持っています。

 

MLM(ネットワークビジネス)のマトリックスは、フロントラインの系列数に制限を設けている報酬プランのシステムのことです。

この系列の最大数は、報酬プランによってまちまちです。

最大2系列のマトリックスは、マトリックス、最大5系列のマトリックスは、マトリックスなどと呼ばれます。

 

 

マトリックスは、一見、バイナリーに似ていますが、バイナリーとは違うので注意が必要です。

バイナリーでは、

 

ピラミッドの左右の長さが違う場合、短い方(売り上げの合計の小さい方)の枝に含まれる組織人数の分しか報酬の対象にならない、

 

というルールがありました。

マトリックスにはこのようなルールがありません。

ユニレベルのように、ピラミッドの形によらず、組織の全体が報酬の対象になります。

 

また、バイナリーのスピルオーバーは、マトリックスにも適用されます。

最大系列数を超える数の紹介を出した場合は、順次、下のダウンラインの空席を埋めていくことになります。

したがって、マトリックスも、誰かが自分のダウンラインを作ってくれることを期待するムードを組織内に生みやすく、組織が発展しにくい傾向があります。

 

Point!

マトリックスのメリット

・バイナリーと違い、組織の全体が報酬の対象になる。

・バイナリーのようにスピルオーバーが期待できる。

マトリックスのデメリット

・スピルオーバーがあるため、誰かが自分のダウンラインを作ってくれることを期待するムードが現れやすく、組織が発展しにくい。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン⑥~ハイブリッド~

ハイブリッドとは、「異なる要素を組み合わせたもの」という意味です。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プランのハイブリッドも、つまりは、異なる報酬プランのシステム同士を組み合わせたものになっています。

例えば、ブレイクアウェイとユニレベルを組み合わせたハイブリッド、バイナリーとユニレベルを組み合わせたハイブリッドなどです。

 

ハイブリッドには、製品やサービスの売上のパターンにきめ細やかに応じるためにそれぞれの報酬プランの特徴の弱点となる部分を補う、という意図があります。

 

ただし、異なる報酬プランのシステム同士の組み合わせになっていることから、当然、ハイブリッドは、システムが複雑になる傾向があります。

また、報酬の還元の仕方の分布を細かくしているため、それぞれの報酬プランの特徴のいいところも弱くなります。

単純ないいとこ取りである、とは一概に言えなさそうです。

 

一般に、ハイブリッドと言っても、いずれかひとつの報酬プランのシステムの特徴が強く出ているケースがほとんどのようです。

 

Point!

ハイブリッドのメリット

・それぞれの報酬プランの特徴の弱点となる部分を補い合う。

ハイブリッドのデメリット

・逆に、それぞれの報酬プランの特徴のいいところが弱くなる場合もある。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン⑦~オーバーライド~

ダウンの系列内に同格のタイトルの者が現れると、その系列からは還元率の差の分で得られる報酬が発生しなくなります。

それを補うために、同格のタイトルの者の系列の売上実績に応じて一定の割合で報酬が発生する仕組みのことです。

育成保証などとも呼ばれます。

 

Point!

・オーバーライドは、いわゆる育成保障のボーナスが発生するシステムのこと。

 

MLM(ネットワークビジネス)の報酬プラン⑧~セブンアップ~

最後に、セブンアップについて。

 

セブンアップというのは、ダウンの系列数が増えれば増えるほど組織のより深い階層が報酬の対象に含まれていく、というルールのことです。

これ自体は、独立した報酬プランのシステムのことではありません。

 

例えば、ユニレベルで・・・

 

1レベルにダウンを1人持っていれば、1レベルまでが報酬の対象になる。

 

1レベルにダウンを2人持っていれば、2レベルまでが報酬の対象になる。

 

1レベルにダウンを3人持っていれば、3レベルまでが報酬の対象になる。

 

このような感じです。

 

一般に、このルールは、ブレイクアウェイやユニレベルの報酬プランのシステムを補う形で付帯して使われています。

 

言わば、スポンサー活動に励んで製品やサービスの愛用者を多く得る人ほど報われるルールです。

 

このセブンアップのルールを採用することで、組織が横に厚みを増す傾向が生まれます。

 

このルールを初めて採用したアメリカのMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)があった州には組織階層の深さを最大で7レベルまでしか認めない、という法律が定められていたらしく、セブンアップの名称はそのことに由来しているそうです。

 

Point!

・セブンアップは、ダウンの系列数が増えれば増えるほど(横が広がれば広がるほど)組織のより深い階層が(縦の下の方が)報酬の対象に含まれていくので、組織が横に厚みを増す傾向が生まれる。